人材確保の動き激化 Uターンフェア参加増
県内での就職を希望する来春卒業予定の学生らを対象にした合同企業説明会「第42回きのくに人材Uターンフェア」(同実行委主催)が8日、和歌山市友田町のホテルグランヴィア和歌山であり、前年春の開催よりも95人増の456人(男275人、女181人)が参加し、企業の担当者から業務内容などの説明を受けた。
同フェアは毎年、春と秋に開催。春の開催でみると、参加企業は平成20年の74社以来、過去最高の100社。求人数は595人(前年472人)となり、業種別では製造業や卸・小売・飲食業で多くなっている。参加企業の大幅増について実行委は「昨年から続く景気の上昇基調に伴い、将来の人口減に備えた人手不足が企業にとっての課題となっており、求人に積極的な動きがみられる」と分析している。
会場に設けられた各企業のブースでは、目当ての企業の説明を受けようと、順番を待つ学生も多数みられた。企業の担当者はスライドやパンフレットで自社の概要を説明。学生らはメモを片手に熱心に聴き入っていた。
住宅関連の営業職を希望しているという大学生の抜井勇輝さん(22)は「一生のうちの大切なことに関われる仕事にやりがいを感じる。なんとか就職につなげたい」と意気込んでいた。
本年度より就職・採用活動開始時期が変更され、広報活動は3月1日以降、採用選考活動は8月1日以降と後ろ倒しになった。全国的に学生優位の売り手市場といわれる中、就活の短縮により、人員確保に向けた企業の動きも激しさを増すと予測される。
研究職を募集している企業の担当者は「学生の卒業研究のテーマを面接で聞くことができるので、学生の本質を理解して適正に採用できる」とメリットを示す一方で、「内定後の人員確保のためにコミュニケーションを取っていきたい」と対策の必要性も話していた。