本年度で発足50年 和歌山演劇鑑賞会
地域に劇団を招いて芝居を鑑賞する和歌山演劇鑑賞会(神崎務代表)は、本年度で発足50周年を迎える。現在会員は県内を中心に約1800人。同会では2000人を目標に「50年間受け継がれてきた文化のともしびを守り、さらに多くの皆さんと演劇の魅力を分かち合いたい」と広く会員を募っている。
演劇鑑賞会は会員制の非営利団体で全国に展開し、和歌山では昭和41年に発足。「地方でもより良い演劇を、より安く多くの人々と楽しめるように」と第1回「炎の人」(劇団文化座)を皮切りに、これまで340作品近くの公演を企画し、地域の演劇文化発展に寄与してきた。
現在会員は60代から70代が中心で、偶数月に和歌山市民会館を会場に観劇会を開く。現代劇や歌舞伎、喜劇や悲劇、ミュージカルなど、さまざまなジャンルで年6回、演劇を鑑賞している。
同会の他、紀北(紀の川市粉河)、泉南(阪南市)、岸貝(岸和田市)と鑑賞会を立ち上げ、4団体で阪和演劇鑑賞会協議会を発足。全体では約5000人の会員がいる。会員であれば、4カ所どの会場でも演劇を楽しめる。
神崎代表は「わざわざ大阪まで行かなくても、和歌山でも普段着のまま全国レベルの芝居が見られます」と話す。見たい演劇作品を自分たちで選び、機材の搬入なども団員たちと一緒に行う他、会員で機関誌を発行するなど、手作りの鑑賞会。俳優との交流会をはじめ、演出家や作家の講演会にも参加できる。
劇団員からは「劇団と演劇鑑賞会は両輪」ともいわれ、劇団を支える意味合いも大きいという。会員らは「ビデオや映画とは違い、その演劇は一生に1度限り」「劇団員が喜んでくれるのが大きな励み」と魅力を語っている。
338回目の鑑賞会として、6月19~21日(市民会館)、30日(粉河ふるさとセンター)には、風間杜夫と加藤健一の30年ぶりの共演となる「バカのカベ」を鑑賞する。
入会は原則3人以上(1~2人の場合は要相談)。入会金2000円、会費2600円(1カ月)。学割あり。少なくとも1年間は鑑賞することが条件。問い合わせは和歌山演劇鑑賞会事務局(℡073・433・1151)。