貴志駅に「たま神社」 ニタマは二世駅長に
和歌山電鐵(本社・和歌山市伊太祈曽、小嶋光信社長)は、たま名誉永久駅長を「たま大明神」として祭った「たま神社」を貴志駅(紀の川市貴志川町神戸)ホームに設け、喪が開けた「五十日祭」の翌11日、仁坂吉伸知事らを招いて開社式を行った。小嶋社長は「これからも末長く、たまちゃんのいる貴志駅、和歌山に来ていただき、たまちゃんの心にふれてほしい」と呼び掛けた。合わせて、同駅のニタマ駅長代行(5)が「たま二世駅長」に就任した。
多くの報道陣やファンで人垣ができる中、たま神社は小嶋社長、仁坂知事、中村愼司紀の川市長、地元選出の山田正彦県議らで除幕。たま大明神の石碑と銅像、たまの写真などを飾った新しい名誉永久駅長室もお披露目された。
小嶋社長は「きのう五十日祭を無事に終え、いま、たまちゃんはたま神社の中に神様として鎮座されている。末長く貴志川線や県全体を見守ってくれることを祈る」。仁坂知事は国内外の注目を集めたたま駅長の功績に感謝し、「仮に和歌山電鐵のない『たま神社』になったら、たまちゃんに申し訳ない。絶対に存続を図り、いま以上に栄えるよう頑張りたい。地元の方々にも乗って育ててもらいたい」と述べ、あらためて貴志川線存続を誓った。
「貴志川線の未来を〝つくる〟会」の濱口晃夫代表は、たま駅長と共に取り組んできた思い出を振り返り、「われわれの活動はまだまだ続く。神社の中から力を貸していただきたい」と話し、中村市長も「たま大明神さま、これからも貴志川線を守り、すべての人々に福を招いていただきたい」と願った。
和歌山市と紀の川市は、たまが地域経済の活性化などに寄与したとして、連名で功労賞を贈った。
ニタマ駅長代行は小嶋社長から辞令を交付されると、「にゃあ!」と元気に鳴いて意気込んだ。