和歌浦に江戸の時代絵巻 「和歌祭」15日に

 紀州東照宮(和歌山市和歌浦西、西川秀紀宮司)の大祭「和歌祭」が15日に行われる。勇壮な神輿(みこし)おろし神事に続き、44の多彩な演目による渡御行列が同宮から和歌浦漁港、片男波、万葉館、玉津島神社などを練り歩き、和歌浦一帯は戦国・江戸の時代絵巻に染まる。

 同祭は1622年(元和8)に創始され、長く継承されてきたが、戦後に和歌山市の商工祭のイベントとして開かれるようになった影響などから、規模は縮小し、伝統的な芸能の形式なども一時失われ、存続の危機に陥った。しかし、平成14年から元の大祭の形に戻り、地元をはじめ多くの協力を得て、10年前には規模も往時と変わらないまでに復興した。

 ことしの渡御行列は約1000人が参加予定。神輿や、仮面に華やかな衣装を着けた「百面」の一群はとりわけ華やかとなる。片男波では御旅所神事があり、奉納相撲として四股を踏み、役員が玉串をささげる。

 祭本番に向けて、東照宮では行列の演者が毎日練習に励んでいる。12日には子ども連尺の練習が行われ、傘を持った子どもたちが振り付けを繰り返し練習していた。

 「和歌祭フォトコンテスト」も開催。練習や当日の風景などの写真を募集する。6月10日まで受け付け、選考の後、7月ごろに結果が発表される。

 紀州東照宮権禰宜の西川秀周(ひでちか)さん(41)は「神事をみんなで一緒に成功させて、地域の活性化や幸せにつなげられたら」と話している。

 当日は午前10時から同宮で例大祭が、11時半から108段の階段を駆け下りる「神輿おろし神事」、正午から渡御行列が始まる。行列コースとなっている和歌浦周辺では正午から午後4時ごろまで交通規制が行われる。詳しくは和歌祭ホームページ(http://www.wakamatsuri.com/)で。問い合わせは同宮(℡073・444・0808)へ。