念願の県本部道場再建 新極真会和歌山支部

 NPO法人全世界空手道連盟新極真会和歌山支部(黒岡八寿裕支部長)の県本部道場が和歌山市紀三井寺に開設され、記念式典が5日、同所で行われた。道場生や保護者、来賓ら約200人が集まり、演武や食事を交えて喜び合い、支部のさらなる発展を願った。

 県本部道場はかつて、同市西高松にあり、四半世紀以上にわたって道場生らが強い体と心を育む鍛錬の場となってきたが、入居していたビルの老朽化に伴い、一時閉鎖を余儀なくされた。県内各地の公認道場で練習を続けながら移転先を探し、5年越しの念願となる県本部道場復活の日を迎えた。

 故大山倍達総裁の指示を受け、和歌山で道場生の指導に当たるようになって33年になる師範の黒岡支部長(56)は「長い5年だったが、道場生や保護者、指導員の協力があり、多くの皆さんの思いが実って道場を再建でき、感謝です」と感慨深く話す。

 県本部道場がない苦しさの反面、昨年の世界選手権に6人の日本代表を輩出するなど、和歌山支部にとっては大きな成果を残した5年間でもあった。「人に恵まれた。和歌山に来たときの初心に帰り、これからの人生、空手の魅力をさらに発信し、恩返しをしていきたい」と黒岡支部長。現在県内に約600人いる道場生を増やし、支部発展への決意を新たにしている。

 記念式典では、道着姿で整列する道場生らを前に、同支部顧問の尾﨑太郎県議らが祝福と激励の言葉を贈った。

 続いて屋外で演武が行われ、女性が型を、男性が前後左右の板を次々と割る「四方割り」を披露。最後は黒岡支部長が自ら「氷割り」に臨んだ。厚さ10㌢超の氷の板をまず掌底で、続いて裏拳で真っ二つにし、さらに重ねた5枚を手刀の一撃で砕くと、道場生や保護者らから、どよめきと拍手が起こっていた。

 その後は祝賀の食事会となり、鏡開きと乾杯に続き、出席者はマグロの刺身やフライドポテト、豚汁などを味わいながら歓談した。

黒岡支部長の手刀が氷の板を砕いた

黒岡支部長の手刀が氷の板を砕いた