高速沿道の広告規制見直し 県条例改正へ
条例で禁止されていながら、高速道路などの沿道に無秩序に設置されている屋外広告物について、県は、景観改善や利便性向上に向けて、来年4月の施行を目指して県条例を一部改正し、違反広告物の撤去を含めた対策に乗り出す。
県は昭和59年に県屋外広告物条例を制定し、中核市の和歌山市を除く各市町村を対象に、阪和自動車道や自動車専用道路の沿道300㍍の範囲で、屋外広告物の設置を原則禁止してきた。違反者には罰金50万円以下の罰則規定も設けている。しかし、規制は順守されず、現在も70~80件ほどの違反広告物が点在し、県も十分な措置を講じてこなかったため、野放しの状態が続いているという。
今回の県の対策では、条例改正により、周辺の景観と調和したデザインや案内を集約化した観光関連の広告物に限って基準を緩和し、設置を認める方針。改正条例の施行を目指す平成29年4月以降、違反広告物を設置している業者については県が指導や勧告、撤去命令を行い、従わない場合は県警と協議の上で告訴に踏み切ることも視野に入れている。
条例の見直し案については8月に県景観審議会で委員に意見を聞いた後、パブリックコメントで県民からの意見を求める。
現在確認されている違反広告物については、10月をめどに指導に着手し、本年度末までに撤去するよう促していく。
仁坂吉伸知事は「(高速道路で)実感すると思うが、沿道にたくさんある広告物は、実は全て違反。国交省にも相談し、観光案内的な物などは全部禁止する必要はないので、設置の在り方を変えていきたい」と述べ、条例改正への意欲を示している。