運動で健康寿命を延ばそう 本山教授講演

 地域の健康づくりに貢献しようと、「第34回ヤクルト健康セミナー」(和歌山ヤクルト販売㈱主催)が20日、和歌山市紀三井寺の和歌山地域地場産業振興センターで開かれ、中高年の女性を中心に約100人が参加し、和歌山大学教育学部の本山貢教授の講演に耳を傾けた。

 平成17年から年3回程度、県内の著名人を招き講演会を開いている。
 同社の井坂武昭社長は「『健康で明るく 笑顔に満ち溢れた 地域社会づくりに 貢献する』をビジョンに掲げており、講演を参考に健康づくりに役立ててください」とあいさつ。本山教授は「健康づくり運動で健康寿命を延ばそう!」と題して講演した。

 本山教授は、平均寿命と健康寿命の間に約12年の開きがあることや、要介護認定を受ける高齢者の割合が和歌山県は全国でも特に高いという現状を紹介。こうした状況の改善に向け、脂肪の燃焼ではなく、筋肉の維持・強化に取り組む必要性を強調した。

 本山教授によると、寝たきりになる四つの要因として、脳卒中、高齢による衰弱、転倒、認知症があるが、ウオーキングなどの有酸素運動や筋力トレーニングを継続することで大きな予防効果が得られるという。

 講演の最後には、本山教授が筋肉を鍛える運動法を解説し、参加者が音楽に合わせて足を曲げ、伸ばすなどの動きを繰り返した。

 本山教授は「健康予防運動にこれだけ力を入れている県はありません。一人ひとりが運動の大切さを理解し、健康な体づくりに取り組んでいきましょう」と話し、意識の向上を呼び掛けた。

 参加した和歌山市の女性は「意識的に運動をする機会はなかったですが、これからはゆっくりした動きで筋肉を鍛えることを意識しながら、体を動かしたいと思います」と話していた。

 会場には、血圧や体重、肌年齢などの測定や反射神経ゲーム、カウンセリングなどの体験コーナーも設けられ、多くの来場者が足を運んでいた。

講演する本山教授

講演する本山教授