農村女性の活躍に学ぶ むらとくらし会議
県内で農業・農村のリーダーとして活動する女性たちが活動事例の報告などを通じて学ぶ、本年度の「むらとくらしを考える会議」が8日、和歌山市美園町の県JAビルで開かれ、農家の女性や行政関係者ら約150人が参加した。
農村女性の社会参画促進と地域農業の活性化を目的に活動している県生活研究グループ連絡協議会(宮地スミ子会長)と県が主催した。
活動事例の発表では、広川町生活研究グループ連絡協議会の山本美智和さんと沖美枝子さんが、地元の食材を使った加工食品づくりについて報告。町から特産品開発の依頼を受けて開発した、塩分控えめの手作りみそ「稲むら味噌」や、地元産の果物と砂糖のみで製造したイチゴ、イチジク、ブルーベリーの「稲むらジャム」を紹介した。今後については「メンバーの固定化と年齢の上昇が一番の課題。収益を増やすことで若い人の増加につなげたい」と意気込みを語った。
本年度、近畿農政局の男女共同参画優良事例表彰を受けた橋本市の池田泰子さんの取り組み紹介では、農産物直売所の設立準備委員や指導農業士として活動してきた経験を振り返り、「男の世界で、当初は勇気がいった」と農業・農村のリーダーとなる女性が少ない状況を指摘。農家では女性が農作業に加え、家事や親の介護も担うケースが多いと話し、家族内の役割分担を定める家族経営協定について「意識改革の効果があり、農家の女性の地位向上につながるのでは」と期待を寄せた。
県からは、農地を貸したい人と借りたい人を県農業公社が仲介する農地中間管理事業などの説明があり、㈱信濃路の西平都紀子社長による講演も行われた。
参加した有田川町でサンショウの加工を研究している女性(68)は「いろいろな取り組みや制度があることを学べて良かったです」と話していた。