行政相談20年 退任の三宅さん総務相表彰
紀の川市上丹生谷の三宅昌美さん(80)は、退職してから20年間にわたり、行政相談委員として活躍した。昨年度末に定年を迎えるまでに800件以上の地域住民の相談に応じ、その功績が認められ、昨年春には叙勲(瑞宝双光章)を受章。13日には、委員としての長年の功績をたたえ、総務大臣から感謝状が贈られた。
行政相談委員は、総務大臣から委嘱された民間の有識者で、全国に約5000人、県内には58人が配置されている(4月1日現在)。国の行政全般についての苦情や意見、要望を公正、中立な立場から行政機関にあっせんする役割を担い、昨年度に県内で寄せられた相談件数2143件のうち、行政相談委員が受けた件数は1170件に上った。
三宅さんは県庁を退職し、旧粉河町からの推薦を受けて平成9年に行政相談委員に就任。専門的な知識を蓄え、毎月1回開所する行政相談所や10月の「行政相談週間」で、年金や福祉問題、空き家対策など、さまざまな相談に応じた。
道路の騒音で夜間の睡眠が妨げられているという相談では、道路を管理する国土交通省近畿地方整備局に通知。検討の末、相談者宅付近に防音壁が設置された。積極的に広報活動にも参加するなど、その姿勢は後輩委員の見本として引き継がれている。
紀の川市役所で行われた贈呈式では、総務大臣に代わり、和歌山行政評価事務所の渡瀬徹所長が感謝状を贈呈。三宅さんは「皆さんの支えがあり、いろんな経験ができた。この20年間は私の財産です」と笑顔で話した。