児童虐待相談が増加 28年度心理的が4割

平成28年度に県内2カ所の児童相談所に寄せられた児童虐待相談は1123件(前年度比230件増)、市町村への相談は1162件(同279件増)で、いずれも前年度を大きく上回ったことが県子ども未来課のまとめで分かった。

県が受けた相談を虐待の種類別に見ると、言葉による脅しや子どもの面前での家族への暴力(面前DV)などの「心理的虐待」が最多の481件(42・8%、前年度比134件増)。次いで、食事を与えない、ひどく不潔にする、重い病気になっても病院に連れて行かないなどの「ネグレクト」が324件(28・9%、同64件増)、殴る蹴るなどの暴力を振るう「身体的虐待」が305件(27・2%、同36件増)、「性的虐待」が13件(1・2%、同4件減)だった。

心理的虐待が最も多いのは前年度と同じだが、面前DVとして通告されるケースが増えたことが、件数の大幅な増加につながったとみられている。ネグレクトと身体的虐待も共に増加したが、件数の順位は前年度と逆転した。

虐待者の内訳は、子どもと過ごす時間が長い実母が最も多い傾向が続いており、572件(50・9%)。次いで実父が379件(33・7%)、実父以外の父親が32件(2・8%)だった。

虐待を受けた子どもの年齢構成は、小学生が364件(32・4%)で最多。3歳~学齢前が273件(24・3%)、0~3歳未満が229件(20・4%)、中学生が159件(14・2%)、高校生・その他が98件(8・7%)だった。

虐待の種類別内訳

虐待の種類別内訳