地方鉄道の活性化へ 和大生が3路線調査
経営状況が厳しさを増している地方鉄道の活性化に向け、大学生などの若い感性のアイデアを運営に取り入れてもらおうと、和歌山大学と国土交通省近畿運輸局が連携した取り組み「鉄道・地域活性化プロジェクト」が始まり、県内外の3鉄道会社へのヒアリング調査などを進めている。
対象の鉄道は、和歌山電鐵(和歌山市―紀の川市)、紀州鉄道(御坊市)、水間鉄道(大阪府貝塚市)の3路線。
和大からは、辻本勝久経済学部教授の指導で「交通まちづくり調査研究」に取り組む学部生や大学院生9人が参加。今月3日には、和歌山電鐵本社(和歌山市伊太祈曽)を学生3人が訪れ、社員に運営状況のヒアリングを行った他、貴志川線の貴志駅に移動して、利用客に利用目的などのアンケート調査を実施した。
社員へのヒアリングでは、恒例イベントが回を重ねることでニュース性が薄くなっていることや、人的、資源的要因により沿線施設との連携が不足しているなどの課題があることを聴いた。
18日には紀州鉄道でのヒアリングを予定し、今後は調査内容や沿線活性化策をまとめる。7月16日の和大オープンキャンパスに合わせ、同市栄谷の経済学部講義棟で正午から、研究成果をプレゼンテーションで公開する予定。
兵庫県の地方鉄道路線「粟生線(あおせん)」の沿線出身で、地方鉄道に興味があるという経済学部2回生の西畑美紅さん(19)は「何をするにもコストや人手の制約があり、活性化の企画提案も難しいと感じていますが、発表に向けて頑張りたい」と話していた。