外国人住民の意見を施策に 日本の教育議論

外国人住民が地域で直面する問題について考える「外国人住民とのネットワーク会議~外国人住民の意見を施策に~」が25日、和歌山市手平の和歌山ビッグホエールで開かれ、県内在住の外国人らが議論し、問題に対する理解を深めた。

県国際交流協会が主催。京都市国際交流協会の飯田奈美子さんがファシリテーターを務め、「外国につながる子どもの支援」をテーマに意見を交換した。

参加者たちは自身の子どもが通う学校での出来事を事例に、外国にルーツのある子どもが直面している状況を報告。日本の教育システムや受験制度に対する意見も出された。

米国出身で和歌山市在住のグレッグ・ハドソンさんは、子どもの受験を振り返って、「仕組みが難しく、ほとんど妻に任せていた」と発表。日本の高校は米国に比べ選択授業が少ないことを指摘し、「生徒は授業の選択を通じて、自分が何をしたいか考える。日本は一つのクラスに所属して同じ授業を受ける傾向が強い。もっと多様性があっても良いのでは」と話した。

思春期の子どもに対する支援については、親に対して反抗的傾向を示すのは多くの子どもに共通するが、外国人の子どもは身近に頼りがいのある先輩を見つけるのが難しく、生き方のモデルを見つけにくいという意見が出された。

出された意見を踏まえ、飯田さんは「子どもを支援することは親を支援することにつながる。文化の橋渡し的な人材を養成することで学校や地域社会へも貢献することになる」と意義を強調し、先進地域との情報交換や、教員を対象とした国際交流に関する研修の実施に意欲を示していた。

本年度の会議はあと3回行われ、次回は9月24日に和歌山ビッグ愛で予定されている。

子どもの支援について議論する参加者

子どもの支援について議論する参加者