観光振興にデータ活用を 県内初の統計研修
自治体の統計担当職員が統計の活用法について学ぶ研修会が7月28日、和歌山市友田町のホテルグランヴィア和歌山で開かれ、全国各地から自治体職員約70人が参加し、講演や議論を通じて統計を政策立案に生かす方法を学んだ。
都道府県統計連絡協議会統計資料整備部会(会長=古川勉県調査統計課長)が主催。毎年各都道府県の持ち回りで開かれており、県内では初めてとなった。
研修会では、総務省統計局の一部機能が来春に県内へ移転することについて、同局総務課の星野宗行課長補佐が移転決定以後の取り組みを説明。自治体職員を対象とした統計データ利活用の研修会を開いたことや、子どもたちにプログラミングの面白さを伝えるイベント「キッズ統計プログラミングin和歌山」の開催を予定していることを紹介した。
統計データを活用した地域課題の解決については、和歌山大学観光学部の大井達雄教授が「観光振興におけるデータ利活用の重要性」と題して講演。大井教授は訪日外国人旅行者数と外国人延べ宿泊者数の対前年同月比を取り上げ、平成28年に入って以降、両数字の間に大きな開きが見られることを指摘。宿泊旅行統計調査が民泊を対象外としていることにふれ、民泊の増加が数字の差につながっている可能性を指摘した。
地域の特徴を細かく知る手段として、総務省統計局・統計センターが運営し、統計データとWeb上の地図データを組み合わせた地理情報システムを提供する「地図による小地域分析」を紹介。「位置情報と既存の(公式な)統計データをうまく活用することが大切」と訴えた。