道路整備は発展の「手段」 来年度予算に地域の要望を

 今春、京奈和自動車と第二阪和国道が開通し和歌山市の道路環境は大変、便利になりました。「30分」で移動できる距離が格段に伸びたことは日々の生活を通して多くの方々が感じておられることと存じます。例えば和歌山市内から橋本方面に出向くのにかつてに比べれば30~40分は時間短縮ができました。ビジネスのフィールドが広がったというお声は何人もの方からお伺いします。また救急医療の面でも広域の搬送がより可能になり多くの命が救われるようになったのも実感していただいています。しかし、改めて確認しておかなければならないのは道路の整備の目的は何なのかという点であります。ともすれば道路を整備すること自体が「目的」とお感じになっておられる方もいらっしゃいます。長年、特に今春できた道路は足かけ40年も50年もの歳月を経てようやく完成の日の目を見ました。長年の夢が実現して喜ばしいのはもっとものことですが道路を整備することは地域を発展させるための「手段」であって「目的」ではありません。「目的」は地域を発展させること、災害対策も含め命を守ることです。開通式でくす玉を割ってお祝いのお餅投げをすることはあくまでも「出発点」であって決して「到達点」ではないということです。冒頭にも申し上げた通りこれらの道路の開通によって私たちはまず便利さを実感しました。次はその便利さを活かして地域の発展に何をもって取り組むかです。ぜひ、皆さんと共に一つでも多くの答えを導き出したいと願っております。
 そんな中、また新たな道路関係整備も着々と進んでいます。阪和道の「和歌山南インター」の整備です。周辺にお訪ねするともう随分と工事が進んでいます。平成30年度中の供用を目指しておりますがこのインターチェンジが完成すれば和歌山市南部はもとより紀の川市も含めた人、もの、お金の動きがさらに活性化されると確信しています。
 そしてもう一つの新たな取り組みも着々と進められています。京奈和自動車道と第二阪和国道を結ぶ「連絡道路」を整備するという計画です。この二つの道路がつながれば和歌山市の道路環境はまた一段便利になります。約7㌔の区間になりますが国土交通省においてすでに今年度から調査にあたる予算が手立てされています。先日も尾花和歌山市長をはじめ和歌山市議会の議員連盟の皆さまと一緒に東京にて要望活動をさせていただきました。またその翌週には「京奈和・第二阪和連絡道路建設促進期成同盟会」の皆さまとも要望活動を致しました。この期成同盟会は民間の団体を中心に組織されており今回は和歌山市自治会連絡協議会を代表して紀伊地区の湯川連合自治会長様そして和歌山商工会議所女性会を代表して松田会長様、梅田副会長様にもご上京いただきました。このように地域の「生の声」を霞が関に届けることが夢の実現に向けた最も大切で最短の道であると確信しています。今後もより多くの方々のご賛同、ご協力を得て要望活動をさらに盛り上げてまいりたいと思います。
 「コンクリートから人へ」。皆さまもこのキャッチフレーズはご記憶のことと存じます。和歌山はあの政権交代でまさに750億円という途方もない道路予算を失いました。その影響で大きく整備が遅れたのは事実です。先人が苦労に苦労を重ね積み上げてこられた努力の結晶が一瞬によって奪い去られたわけです。先述した通り整備された道路を精一杯活用しつつ新しい整備を今、私たちは求めています。いよいよこれから来年度の国の予算の策定作業が本格化してまいります。しっかりと要望活動を行い、予算案に賛成の立場で予算の成立に向け取り組んでまいります。予算案に賛成する政権与党でしか実現できない夢があることをぜひ、ご理解くださいますようお願い申し上げます。