差別の一掃へ努力 県身体障害者福祉大会
県身体障害者連盟(渋田年男会長)主催の第60回県身体障害者福祉大会が10日、和歌山市民会館で開かれ、障害に対する無理解や無関心からくる差別や偏見を一掃するための活動にまい進するなどとする大会宣言や、功労者に対する表彰などが行われた。
開会あいさつで渋田会長は、昨年施行された障害者差別解消法の理念を地域に定着させることが必要だとし、そのために「私たちの努力が重要であり、障害とはどういうことなのかを正しく知り、理解してもらうため、自分たちの情報を発信し続けていきたい」と述べた。
来賓の仁坂吉伸知事は、「あいサポート運動」「ヘルプマーク」など県の取り組みにふれながら、「障害のある人もない人も共に楽しく生きていくことのできる社会を目指していきたい」と述べ、同連盟の今後の活動に期待を寄せた。
大会宣言では「私たちが真に目指す共生社会は、障害の有無にかかわらず、すべての人の人権が守られ社会的障壁が取り除かれた社会」などと力強く宣言。大会決議では、多目的トイレの充実、障害者用駐車スペースの拡充と適正な利用の促進、「市町村避難所運営マニュアル作成モデル」に障害別に具体的な表現を用いることなど12項目の要望を採択した。
表彰では、身体障害者の福祉、文化、教育、学術などへの貢献者、身体障害者の配偶者として模範の人など5種類の賞に15人が選ばれ、渋田会長から賞状が贈られた。
会場ロビーでは作業所の製品販売や福祉機器の展示などもあり、アトラクションとして、和歌山県立紀北農芸高校和太鼓部による勇壮な演奏が大会に花を添えた。
表彰されたのは次の皆さん。
【特別表彰】福田政和(和歌山市)▽山本敏一(かつらぎ町)
【礎賞】田中俊夫(和歌山市)▽東谷和枝(橋本市)▽田中秀樹(有田市)▽上森力(田辺市)▽古田鈴代(紀の川市)▽向井和彦(印南町)
【たちばな賞】堀内富子(紀の川市)
【パイオニア賞】湯川芳規(御坊市)▽西圭史(紀美野町)
【白菊賞】尾家信子(和歌山市)▽喜多一美(橋本市)▽田幡淳子(紀美野町)▽斯波隆子(有田川町)