住みよい地域へ活動誓う 民生委員100年
地域住民の立場に立ち、相談に応じたり自立した生活を支援する民生・児童委員制度が創設されてことしで100年を迎える。県民生委員児童委員協議会(松下明会長)は和歌山県和歌山市手平の和歌山ビッグボエールで記念大会を開き、県内の約3000人の委員が参加。「地域共生社会を目指す」とする大会宣言が採択され、委員らは今大会を期に活動に一層尽力することを誓った。
同制度は大正6年、岡山県で「済世顧問制度」として創設され、誰もが安心して暮らせる共生地域社会の構築を目指すこと目的としている。
大会は、県立和歌山さくら支援学校の生徒による力強い和太鼓演奏で始まった。あいさつで松下会長は「先輩方の築いた歴史の重みと苦労を感じ、100周年を迎えたことは意義深い」と制度の継続に感謝を表し「現在は虐待、貧困、認知症、委員のなり手不足などの対策に追われている」と地域社会が多様な課題を抱えていることを指摘した。
続いて特に優れた功績を上げ民生・児童委員歴15年以上で現職の委員59人に「県知事特別感謝」、現職でおおむね9年以上在職し、特に地域福祉向上のために尽くした功績顕著な人57人に「和歌山県民生委員児童委員協議会会長表彰」が贈られた。
仁坂吉伸知事は「委員の皆さんのご尽力には心から感謝している。社会が豊かになったにもかかわらず困難を抱える高齢者や子どもは増加しており、皆さんの活躍への期待が高まっている。これからもご協力をお願いしたい」と呼び掛けた。
「県知事特別感謝」表彰を受けた古座川町の山口美和子さん(69)は「元気な高齢者も多く、活発に活動しています。これからも地域住民の見守りや児童の育成に力を注ぎたい」と笑顔だった。
記念講演ではピアニスト辻井伸行さんの母の辻井いつ子さんが「子どもの才能の見つけ方、伸ばし方」をテーマに自らの子育ての体験を紹介。「子どもの可能性を信じてよく見て褒める『親ばか』の子育てを実践した」と話し、聴衆は熱心に耳を傾けていた。 本紙エリア内で受賞されたのは次の皆さん。
【県知事特別感謝】和歌山市=荒巻勇四郎、有田裕子、岩橋重文、上野清美、北方平子、木下景子、堺成盛、佐谷美津子、白井春夫、寒川秀子、中川守、丹生郁子、仁木千惠子、西岡幸代、西中明美、西村良美、西本喜美子、西本敏香、林靜代、細川栄治、本村廣幸、松本明代、宗眞紀子、森本榮美子▽紀の川市=高岡丈▽岩出市=明渡眞幸、畑村千鶴、味村万喜子
【和歌山県民生委員児童委員協議会会長表彰】和歌山市=藤田晴三、植本久美子、明渡一眞、江原信之、柏木新治、島本貞雄、北廣文博、小西健之、森泰、▽海南市=小谷きみよ、紙谷將和、岩橋博志、中井紀美▽紀の川市=道本夏生、小倉敏男、籔本惠、山戸東秀▽岩出市=渋田忠三、塩中光子、高尾薫▽紀美野町=寺中俊也