災害に備え初の避難所運営訓練 高松地区
和歌山県和歌山市高松地区(石井太郎連合自治会長)は23日、近い将来発生が予想されている南海トラフ大地震や国内各地で頻発している大雨災害に備え、自主防災避難と避難所運営の訓練を行った。参加した地域住民約350人は、避難経路や高松小学校体育館での避難生活に必要な備品などを確認し、心構えを学んだ。
9回目の訓練で、避難所運営訓練に取り組んだのは今回が初めて。午前9時に地震発生と想定し、緊急地震速報、5分後に大津波警報が発令されると、住民らは各自治会ごとにあらかじめ定められた場所で点呼を取り、地区名を記したプラカードを持っていったん周辺の中でも標高の高い場所へ移動。その後、高松小学校体育館に集まり、各地区ごとに指定された場所で資材の扱い方などを訓練した。
資材は、アルファ化米や水、ブルーシート、マット、使用済み段ボールなどで、住民らは市地域安全課の職員から説明を受け、プライバシー保護のための、パーテーションの組み立て方など戸惑いながらも真剣に実践していた。
訓練に参加した同地区宇須の女性(69)は「きょうは手ぶらで集合したので早く避難できましたが、いざとなると持って逃げるものに欲が出るかもしれませんね」と苦笑いしていた。
緊急時に避難所で運営本部長を務める石井太郎連合自治会長は、「きょうは避難場所でベッドや便所を作る一歩進んだ訓練。各自治会が助け合い、スムーズな団体行動がとれるよう協力をお願いしたい」と呼び掛けた。
同地区の住民でもある尾花正啓市長は訓練に参加し「訓練を通じて防災力を高め、かけがえのない家族の命を守ってください」と力を込めていた。