黒門市場の活気も 郭家住宅で古写真展

 郭家住宅の会は2、3の両日、和歌山県和歌山市今福の国登録有形文化財「郭家住宅」で、周辺の懐かしいまちなみを写した古写真展を開く。「おもいで写真館」と題し、地域住民から寄せられた昭和30年代から40年代が中心の古写真約30点が並ぶ。ほとんどが初公開で、同会では「地域の方々の協力で、現在では見られなくなった懐かしい写真が集まりました。ぜひご覧ください」と呼び掛けている。

 同会が毎月第1日曜、郭家洋館を一般に公開する試みの一環。今回の展示写真の中でも特に貴重なのは、堀止西2丁目に住む角谷安規子さん所蔵の写真=下=。終戦直後から昭和40年代にかけ、庶民の台所としてにぎわった黒門市場・美松市場になる以前の場所を写したもの。

 大正末から昭和の戦前ごろの撮影とみられ、写真から、市場ができる以前は全く様子の異なる屋敷が建ち並んでいたことが分かり、地域の歴史や暮らしを知る上で貴重という。角谷さんは「住宅地だった場所が市場となり、にぎわった時代もありました。『昔はこんなんだった』と懐かしく見てもらえるとうれしいです」と話す。

 その他、堀止から小松原通5丁目にかけての国道42号線拡幅前のまちなみ、水軒浜海水浴場を写した写真などを展示。同会世話人代表の西山修司さんは「市内の古写真は本町や和歌山城、和歌浦周辺が主で、堀止かいわいを写したものは珍しい。日本の近代建築としても価値の高い郭家に足を運び、地域にとっての建物の魅力を改めて感じてもらえれば」と話している。

 午前10時から午後3時まで。駐車場がないため、公共交通機関の利用を呼び掛けている。問い合わせは西山さん(℡090・1983・1366)。

にぎわう黒門市場

にぎわう黒門市場


広い屋敷地を写した一枚。戦後この場所は市場になった

広い屋敷地を写した一枚。戦後この場所は市場になった