護憲・改憲イベント各地で 市民団体ら主張
「憲法記念日」の3日、和歌山県内でも憲法の在り方を考えるイベントが行われ、護憲・改憲それぞれの立場で活動する市民団体や政党などが憲法に関心を向けるよう呼び掛けた。
和歌山市の和歌山城西の丸広場では、護憲の市民団体や法律家などで構成する実行委員会が主催する「ハッピーバースデー憲法inワカヤマ2018」が開かれた。2014年から毎年開いており、日頃憲法になじみがない人も気軽に参加できるイベントを目指し、音楽の演奏やダンス、飲食物の販売などが行われた。
講談師の玉田玉秀斎さんは新作の憲法講談を披露。1946年1月24日に当時の幣原喜重郎首相がGHQのマッカーサー最高司令官と会談した際、平和主義や象徴天皇制を新憲法に盛り込むよう求めたとする学説を紹介し、ソ連やオーストラリアなどが昭和天皇の戦争責任追及に意欲を示す中、幣原首相は天皇制や昭和天皇個人を守ろうとしたとし、日本国憲法はGHQによる押し付けだとする主張を批判した。
憲法改正県民会議(代表=門博文衆院議員)などは、同市の県JAビルで「憲法を考える県民集会」を開催。美しい日本の憲法をつくる和歌山県民の会の角荘三会長は、テレビ番組で高校生が「憲法9条があったおかげで日本の平和は守られてきた」と発言したことについて「日本の国を日本人自身で守るという国防の意識が欠如している」と話し、憲法9条への自衛隊の明記と緊急事態条項の創設を訴えた。
門代表は自衛隊の明記を訴えた他、参議院選挙の合区制を批判し、「地方の声を正しく伝え、ふるさとを守っていくためにも合区の解消が必要。憲法改正の実現に向け、国民の関心を高めていく必要がある」と述べた。
会場では東京で行われた「公開憲法フォーラム」をインターネット中継し、安倍晋三首相のメッセージなどを聞いた。