天然藍の魅力知って 江戸期の古布など展示

 伝統的な藍染めの魅力を紹介する展覧会「日本の藍 ジャパンブルー~阿波藍六〇〇年の歩み~江戸・明治期の古布展」が18日まで、和歌山県和歌山市北出島の県勤労福祉会館プラザホープで開かれている。

 日本藍染文化協会が主催。本紙など後援。同協会は江戸期の古染法「天然灰汁(あく)発酵建」を伝承する工匠らで構成され、今展では全国から収集したコレクションの中から、絣(かすり)や夜着など、江戸や明治期の貴重な藍の古布資料約30点を展示している。

 のりを絞り出して模様を描く「筒描(つつがき)」の技法で、龍や小槌などめでたい文様を染め上げたものや、技術的に染色が難しいとされる絹に染めた武家の装束も並ぶ。

 また「阿波藍製造技術」の無形文化財の指定を受ける徳島の第19代藍師・佐藤昭人氏による阿波藍の着物や反物、同協会の会員が手掛けた作品も紹介。来場した海南市の陶芸家・橋本由助さんは「色の深さや図柄の面白さなど、藍は奥深い。デザインもさまざまで見応えがありますね」と見入っていた。

 同協会で広報を担当する森岡輝男さん(73)は「化学染料を一切使わない天然藍は透明感がありながら深い色合いが魅力。先人から受け継がれる素晴らしい技術や世界に誇る藍染めを、深く知ってもらいたい」と話している。午前10時から午後7時(最終日は5時)まで。

貴重な藍染めの古布資料が並ぶ会場

貴重な藍染めの古布資料が並ぶ会場