藤村監督ら舞台あいさつ 映画『見栄を張る』

 海南市や紀美野町を主なロケ地に撮影された映画『見栄(みえ)を張る』の公開が15日、和歌山県和歌山市松江のジストシネマ和歌山で始まり、初日の上映後には藤村明世監督(27)が舞台あいさつ。満席となった客席に向け感謝を伝えると、観客から温かい拍手が贈られた。同館での上映は28日まで。

 舞台あいさつは藤村監督とヒロインの友人役で出演した海南市在住の女優、小杉利美さん(27)が行い、2人は映画の全編で映し出されるロケ地の自然風景の美しさを強調。藤村監督は「景色に、ヒロインが故郷を愛していることの説得力がありました」、小杉さんは「まだ知らない景色も多く、行ってみたくなりました」と話した。 

 また、撮影には葬儀屋やスーパーなどの施設関係者や地域住民ら約200人が協力し、藤村監督は印象に残ったこととして「イノシシ肉のバーベキューをごちそうになり、ハードな撮影スケジュールの活力になりました」と笑顔で話し、繰り返し感謝の言葉を口にした。

 映画のあらすじは、売れない女優が姉の死をきっかけに帰郷し、葬儀で参列者の涙を誘う「泣き屋」の仕事を知り取り組む過程で、人間や女優として成長するというもの。

 2015年12月から16年にかけて製作され、SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2016でSKIPシティアワードを受賞した他、イタリアやドイツ、アメリカなど各国の映画祭で注目を浴びている。国内ではことし3月下旬から順次公開されている。

 同館では16日午後7時からの上映後、藤村監督が再びあいさつ。ヒロインを演じた久保陽香さんも来場した。

 上映スケジュールは、17日午前9時40分から18~21日の午前9時40分、午後7時から。以降は未定。

観客と映画の成功を願う藤村監督(左から2人目)と小杉さん(中央)

観客と映画の成功を願う藤村監督(左から2人目)と小杉さん(中央)