支え合う高齢社会へ WACわかやま20周年
少子高齢化社会で幅広い世代の交流づくりに取り組むNPO法人WACわかやま(中村富子理事長)の設立20周年記念イベントが和歌山県和歌山市三沢町の中央コミュニティセンターで開かれ、活動の振り返りや講演が行われた。
同法人は1996年設立。託児サポートや高齢者の生きがいづくりの各種教室、障害者の旅行支援など幅広い活動を行っている。
絵手紙や油彩画など教室で制作した作品や活動紹介などの展示の他、午後からは公益財団法人さわやか福祉財団戦略アドバイザーの土屋幸己さんによる講演「10年後のあなたの暮らしは」が行われた。
土屋さんは今後地域で必要になる包括ケアシステムについて紹介。認知症を患い、1人暮らしの高齢者が増えていく社会でどのような支援が必要になるのか語った。
認知症により家が分からず徘徊(はいかい)したり、1人暮らしになると孤独死の恐れがあったりと不安が大きい。平均寿命と健康寿命の差を縮めることが解決につながるとして、積極的に通う場所や活動に参加する居場所づくりが大切と述べた。
そのために、住み慣れた地域の関係性の中で尊厳ある生活を続けられる、住民主体と行政や専門職によるシステムの構築が必要で、「自分でできることは自分で、といっても志だけではできない。地域に住む人に理解してもらわないと支え合いの関係はつくれない」と話した。
また、山梨県南アルプス市を例に、幅広いサービスで高齢者や子ども、障害者の参加を呼び掛ける生活支援事業の展開についても語った。