渡り廊下にも学習機能 医大薬学部実施設計

2021年4月に開設を予定している和歌山県立医科大学薬学部(伏虎キャンパス)の学部校舎と、医薬看共同研究施設(紀三井寺キャンパス)の実施設計が完了した。約177億円の事業費を投じる。今後は入札手続きを経て、来年1月から順次、建設工事を開始し、開設を目指す。

県によると、事業費の内訳は、設計費約1・4億円、工事費約150億円、備品・図書教材費約20億円、文化財調査費など約5・6億円。両施設とも建築工事、電気設備工事、機械設備工事に分離し、同大学が発注する。

20年3月に大学が学部設置認可を申請し、翌21年4月の開設を予定している。定員は1学年100人の収容定員600人。修業年限は6年とし、薬剤師国家試験の受験資格が得られる。

学部校舎は和歌山市九番丁の旧市立伏虎中学校跡地を活用。地上11階・地下1階建てで、校舎は南棟(高さ約55㍍)と北棟(同32㍍)で構成する。病院や薬局実務に必要な技能などを習得する模擬実習室「OSCE対応実習室」や知識を習得するためのコンピューター室「CBT室」、アリーナ、食堂などを設け、北棟の3~5階に設ける渡り廊下部分には、図書室やIT機器を備えた学習スペース「ラーニングコモンズ」を設置する。延べ面積は約2万6000平方㍍。

共同研究施設は紀三井寺キャンパス内に新設する地上5階建て。北側の既存の医学部研究棟に接続するブリッジを3階に設け、1~4階は研究室、実験室で構成する。高さ約24㍍、延べ面積は約3000平方㍍。

28日には両施設のイメージ図が公開され、仁坂吉伸知事は「なかなかわくわくするような感じ」と話していた。

薬学部校舎(西側からの外観イメージ・県提供)

薬学部校舎(西側からの外観イメージ・県提供)