現場の声と直接つながる 枝野立憲代表語る
立憲民主党の枝野幸男代表(54)は14日、党県連のキックオフ集会への出席などのため和歌山市を訪れ、わかやま新報などのインタビューに答えた。安倍政権打倒に向けた統一地方選や参院選の戦い、「草の根民主主義」拡大への党の活動の在り方などを聞いた。
県連設立の受け止めは。どのように党を浸透させていくのか。
大変厳しい状況の中で県連を立ち上げてくれた仲間と、支援していただいた方に感謝している。これをきっかけに、立憲民主党に期待や関心を持ってくれている方とネットワークが一歩ずつでも広がっていけばいい。
党は「真の意味での草の根民主主義を目指す」としているが、真の意味とはどういうことか。
国会や特に与党時代の経験として、上がってくる政策の要望は、いくつもの組織のフィルターを通したものになっている。経済産業大臣も務めたが、中小企業の声は、大企業の人がトップの日本商工会議所が代弁している。もちろんその声も大事だが、実際に地域の中で本当に経営に苦しんでいる人は、商工会議所や商工会の活動にも関われなかったりする。あるいは現場の農業関係者も、農協全体の考え方とはかなり違う中で生きている人もたくさんいる。
組織のフィルターがかかっていない直接的な現場の声とどうつながっていくのか、これが日本の民主主義には非常に欠けていて、結果的に政治に対する不信や無関心につながっている。組織のフィルターを通じずに、現場の中小企業や農業者、あるいは障害者団体の声と同時に個々の障害者の皆さんの声といったことを大事にしていきたい。それが「草の根民主主義」ということで私が強く意識している点だ。
県内は国政選挙で与党の自民・公明が50%超の得票率を占める地域。どう立憲民主党の支持を拡大するのか。
一昨年の衆院選は全国で見れば自公の得票率は50%に達していないので、その意味で県内は厳しい状況にある。相対的に投票率の高い地域だが、その中でも投票にいっていない人の多くは、潜在的に今の安倍政権を含む政治の現状にさまざまな不信や不満を持っている人が多いと思う。いかに投票率を上げ、立憲民主党や野党の一本化された候補を支持していただくか、ここが大きなポイントだと思っている。
4月の統一地方選にはどのように臨むのか。
まずは県連を立ち上げてくれた現職2人(県連代表の谷口和樹県議、幹事長の山本忠相和歌山市議)がしっかり議席を確保して、草の根を張っていく活動の先頭に立ってもらう。これが党本部としても一番の責任だと思っている。
ここから新しい候補者を見つけ、勝たせることがどれくらい現実的かという難しさはあるが、せっかく県連を立ち上げたので、1人でも2人でも共鳴し、選挙にチャレンジしてもらえる人が出てきてくれることを期待している。
夏の参院選はどう戦うのか。
1人区では自民党と明確な一騎打ちの構造をつくる。これができれば、かなりの選挙区で十分に戦えると思っている。
党が違うから意見の違いはあるが、安倍政権を倒すために、お互い飲み込んで一本化し、有権者の皆さんに「さあ安倍さんをこれ以上続けさせるのとどっちがいいですか」ということを判断していただく。その代わり、比例代表は自分に一番近い党に自信を持って堂々と投票してもらう。この方法が、安倍さんを早く倒さなきゃいけないと思っている有権者の力を最大化できると私は思う。
和歌山でも候補者が一本化されたら、県連としてその人の当選のためにできることを最大限やっていきたい。