中世の伝統受け継ぐ 根来塗講座の作品展
伝統工芸「根来寺根来塗」を体験する岩出市主催の講座の受講生による作品展が4月8日まで、根来の市民俗資料館で開かれている。
根来寺根来塗は、1585年の豊臣秀吉による根来攻め以降、根来寺内での生産が途絶えていたが、根来塗曙山会代表の池ノ上曙山さんが中世の技法とともに復興し、市は後世に伝える人材を育成しようと、約20年前から講座を開いており、現在は約60人が受講している。
会場には、和菓子などの取り皿に使われ、初心者が最初に制作する銘々皿や箸、わん、盆など約300点を、制作した受講生の名前のプレートと一緒に展示。制作工程を紹介するパネルや受講生の制作風景の写真なども並んでいる。
伝統文化に関心のある人らも会場を訪れ、池ノ上さんから根来寺根来塗の歴史や作品の特徴などの説明を受けていた。
受講生の西口真史さん(32)は「伝統工芸に興味があり、地元の文化を学ぼうと受講を決めました。うまく漆を塗ることができたときはうれしいです。根来寺根来塗を和歌山の人に知ってほしい」と話していた。
入場無料。午前9~午後5時。火曜休館。問い合わせは同館(℡0736・63・1499)。