智弁×啓新、市高×習志野 県勢2校に期待

第91回選抜高校野球大会は6日目の28日、智弁和歌山と市立和歌山の和歌山県勢2校がそろって勝利。智弁は8日目(30日)の第3試合(午後2時開始予定)で啓新(福井)と、市高は9日目(31日)の準々決勝第1試合(午前8時半開始予定)で習志野(千葉)と激突する。智弁は啓新に勝てば同日の第4試合で明石商(兵庫)―大分(大分)の勝者と対戦する。

啓新は2012年創部で今大会が春夏通じ初出場。学校を挙げた野球部強化により、昨秋の北信越大会で準優勝した。今大会は27日の初戦で秋の関東王者の桐蔭学園(神奈川)に5―3で競り勝っている。

投手陣は右上手の安積から右横手の浦松への継投が基本。安積は初戦で外角へ落ちる変化球を有効に活用。浦松は勢いのある直球で打者の内角を突く強気の投球で相手打線を完璧に封じた。打線は昨秋の公式戦のチーム打率が2割8分7厘と高くないが、ここぞの場面で得点する勝負強さが光る。

智弁は熊本西との初戦で18安打を放った打線が序盤で安積を攻略し、投手陣が楽に投げられる展開に持ち込みたいところだ。

市高と対戦する習志野は10年ぶり4回目の出場。夏は2度の優勝経験があり、OBに阪神の4番打者として活躍した掛布雅之氏や現ヤクルト監督の小川淳司氏らがいる。

今大会は日章学園(宮崎)を8―2で破り、28日は優勝候補筆頭に挙げられていた星稜(石川)に3―1で競り勝った。最速151㌔を誇る大会一の好投手・奥川恭伸に10三振を奪われながら終盤に訪れた好機を生かした。

投手陣はテンポの良さと制球が武器の左腕・山内や右下手の岩沢が先発し、最速145㌔のキレの良い直球を持ち、高い制球力も光るエース右腕の飯塚につなぐ。

打線は日章学園戦で初回に一挙7点を挙げるなど、好機での集中力や機動力の高さが特長だ。

同校の吹奏楽部は応援歌を大音量で奏でることから「美爆音」と呼ばれており、準々決勝は両校の応援にも注目したい。

星稜を抑え込んだ習志野の飯塚

星稜を抑え込んだ習志野の飯塚