関心の低さとの戦い 和市議選の各陣営苦心
和歌山市議選(21日投開票)は雨模様の告示日から一転、翌15日は心地よい快晴となった。定数38を争う45人の候補者は、雨の日も晴れの日も変わらず街中を選挙カーで走り、歩き、あるいは立ち止まって演説し、票の獲得に努めているが、市民の関心は低調との見方は強く、各陣営は苦心している。
「選挙の仕方が変わってきた」とつぶやくのはある現職候補。かつては後援会に加入してくれる人も多く、確かな票を見込める組織を強固にできたが、最近は加入を依頼すると「自分が支持するかどうかも分からないのに…」などと言われることもあり、会員数は減っているという。
別の現職候補も選挙カーで走り回り、街頭演説やミニ集会も連日行い、市内各地で地道に自らの名前や実績を訴える。陣営は「街頭に立っていると好感触にも思えるし、それなりに知名度もあるとは思っているが、やはり油断はできない」と気を引き締める。
ある新人候補の事務所では、お願いの電話作戦の声がひっきりなしに聞こえてくる。「自分もスタッフも全員、選挙については素人なので、どうしていいか分からない」と言いつつ、自転車に乗って街に繰り出し、街頭で演説する。
初日、たすきをかけ、のぼりを携えてまちを歩く「桃太郎作戦」を雨の中実行した陣営は、「とにかく顔と名前を有権者に浸透させることが必要」と話し、選挙カーに乗っていても人がいれば降りて握手し、支持者から声が掛かれば少人数でも演説をするなど、有権者に近い距離感で訴えることに積極的に取り組む。
投票率については、複数の陣営から前回に続き40%台にとどまるとの声が聞こえてくる。「演説会に来る人も減った」「街頭に立っても見向きもされない。関心を持ってくれているのかどうかも分からない」など、各候補は「関心の低さ」との戦いも続く。