伊賀・新佳三さん茶陶展 23日~アバローム
伊賀焼の作家・新佳三(あたらし・けいぞう)さんの茶陶展が23日から26日まで、和歌山県和歌山市湊通丁北のホテルアバローム紀の国2階ギャラリー龍門で開かれる。主催する美術・茶の湯道具の翠洸洞(津市)では「伊賀焼の神髄をご覧いただければ」と来場を呼び掛けている。
伊賀焼は三重県伊賀市周辺で作られている陶器。桃山時代の茶陶伊賀を言い、豊臣秀吉にも才気を認められた伊賀の領主・筒井定次により、1585年(天正13)から24年間焼かれたもので、耳と呼ばれる取っ手部分が付いた耳付花入などが有名。高温で焼成し、焦げや窯変によるビードロが魅力で、土の風合いを生かした焼き物が多い。
新さんは1948年大阪生まれ。京都産業大学を卒業後、作陶を志し益子などで修行後、伊賀に入り光林窯を築いた。
今展では、新春記念として茶わんや水指、花入れなどを多数展示。新さんの、秀吉を思わせる「明」、茶人の千利休を感じさせる「暗」の精神世界が表現された趣深い窯変の作品などが並ぶ。
新さんは「作陶を始めて45年。やっと伊賀焼の『あ・うん』が見えてきたように思います。佳三伊賀の精神世界をお楽しみいただければ」としている。
期間中の午後1時からは会場で、新さんによるギャラリートーク「伊賀焼について」(約15分)がある。午前10時から午後5時(最終日は4時)まで。問い合わせは翠洸洞(℡059・228・4865)。
会期中には茶席(午前11時~午後4時)も設けられる。23日=表千家(永岡一惠社中)坂本尚美さん▽24日=裏千家・千賀宗一さん▽25日=表千家・森本光子さん▽26日=表千家(林和世社中)上野山紀代美さん