みんなの思いつなぐ 聖火ランナー大岩勝良さん

4月10、11日に和歌山県内で予定されている東京五輪の聖火リレーの実施まで1カ月。県実行委員会が選考した45人のうち、本紙エリアの14人に聖火リレーに込めた思いを聞いた(主に火・木・土曜日付掲載)。

県立箕島高校在学中、聖火ランナーに選ばれた陸上部の主将に憧れた。自身は卓球部だったが、校内マラソン大会でその先輩を抑え、優勝したことがきっかけで、陸上への道が開けた。

過去にあった大阪~福岡間を走る駅伝大会の都道府県代表に、高校生ながら選出。けがで出場できなかったが、勤務先の当時の住友金属工業㈱の各所対抗駅伝にも和歌山代表として選ばれ続け、マスターズ駅伝にも20年以上出場した。

27歳の時に石川県で行われたフルマラソンの大会に初出場し、2時間43分59秒という好成績を残すも、やはり仲間の絆をつなぐ駅伝への思いが強く、個人競技への参加はこの一度きりだった。

2001年に県市町村対抗ジュニア駅伝が始まった時、当時の野上町の監督に就任。第8回大会で紀美野町代表として5位に入賞するなど上位の常連チームに育て上げ、4年前に惜しまれつつも監督を退いた。現在は年に1度、町の親子マラソンに孫の敬君(6)と参加するのが楽しみという。

現役引退後も、たすきをつなぐ情熱は消えることはなく、家族の後押しもあり、聖火ランナーに応募した。倍率を見て自分が当選するとは思っていなかったといい「まさかだった。みんなの思いをつなぎ、一歩一歩力強く責務を全うしたい」と、靴ひもを結び直した。

大岩勝良さん