災害時のニーズ聞き取り 雄湊地区で初の訓練

 大規模災害発生時の地域住民の支援ニーズを聞き取り、 効率的な災害ボランティアセンターの運営に生かそうと、 初めての災害時対応訓練が26日、 和歌山市立雄湊小学校 (同市東坂ノ上丁) 周辺で行われ、 約170人が参加した。 市社会福祉協議会主催。

 同センターは、 災害発生時に支援活動で訪れるボランティアの受け皿として被災地域で開設・運用する。 訓練は、社協関係者が、 公募で市内外から募ったボランティアと、 単位自治会長などの地域住民をマッチングし、 住民宅で被災時の支援ニーズを聞き取るという流れ。 地域住民が土地勘のないボランティアをスムーズに住民宅へ誘導し、 地域住民同士の顔の見える関係づくりも図った。

 東南海・南海地震で家屋の崩壊や津波が発生したと想定。 ボランティアらは、 雄湊地区の主に高齢者宅約60軒を訪れ、 避難所までの道順を決めているか、 非常持ち出し袋を持っているかなどのアンケート調査を行った。 また、 ブロック塀や看板など危ないところがないかを確認し、 地図に書き込んでいた。

 ボランティアとして参加した同市北の青海佳子さん (68)は 「地元の人を挟むと、 相手の方の対応も柔軟になる。 支援を受ける側の 『コミュニケーションを取ろう』 という気持ちも大事だと思う」。同会事務局課長の塩津和朗さん (59) は 「ボランティアの活動は復興には欠かせないもの。 より良く活動してもらうためには、 地元の受け入れ体制を強めることは不可欠」 と話していた。