第2波防ぐ様々な対策

前号では、緊急事態宣言や東京アラートの解除を受け、徐々に元のにぎわいを取り戻している東京有楽町の「わかやま紀州館」を取り上げた。
明るい話題をお伝えしつつも、連日100人以上の新型コロナウイルス感染症の新たな患者を出す東京。社会活動が活発化する中で、事業者も様々な対策を打っている。今週は、和歌山でも活用できる、東京のオフィスで展開されている感染対策の数々を紹介したい。
一日の3分の1を過ごす企業のオフィス。安心・安全なワークプレイスを確保しようと様々な工夫がされている。
すぐにできる対策としては互いの距離を保つソーシャルディスタンス。座席を間引くなどして隣席に人がいない環境を作る、突き合わせていた机の向きを変え窓や壁を向く配置にする、出入り口を一方通行にして人の交差を少なくするなど。
少々費用はかかるが飛沫(ひまつ)の飛散を防ぐため、突き合せた机の境目にパネルを設置することも有効(什器メーカーによると、飛沫飛散防止のため高さ45㌢以上が推奨という)。
さらに、物に触れることを減らすため、出入り口の顔認証付きの自動ドアへの取り換えや、印刷物を配布しないペーパレスの徹底。個別のロッカーを設け個人の物品に他人が触れる機会を減らすなど、対策を徹底する企業もある。
筆者のオフィスでも出社率を50%以下に抑え、在宅勤務を推奨。座席の間引きや、ついたての設置などを行っている。感染防止を起因とする現実はあるが、通勤時間の削減やペーパレス化の推進など、ワークライフバランスや環境配慮の視点から新しい生活様式が定着しつつあるのも事実。
個人、企業のあらゆる工夫と心掛けで、第2波の防止につなげていきたい。
(次田尚弘/東京千代田区)