宝探しでまち再生を みその商店街で講演会
和歌山県和歌山市のみその商店街協同組合(石垣泰伸理事長)は7日、同商店街の再生に向けた講演会をアーケード内で開いた。和歌山大学経済学部教授で副学長の足立基浩さんは、美園地区には持続可能なまちづくりができる潜在力があるとし、「まちの宝を探すことがエリアをマネジメントすることになる」と話した。
同商店街は、シャッターを下ろした店舗が増え、閑散とした状態となっているが、住民は高齢化が進み、急激な変化を望まない人も少なくないという。
一方で、新型コロナウイルスの感染拡大により、インターネットを活用し、仕事や買い物なども非接触型で行う傾向が加速し、時代やテクノロジーの変化から目をそらすべきではないと、組合員らが講演会を企画。市とUR都市機構の後援を受け、和歌山大学の学生らを含め約30人が参加した。
足立教授は、同商店街周辺について、JR和歌山駅に近接し、周辺1㌔の範囲に約4万人が居住しているなどの特徴があると説明。同じ市内のターミナル駅エリアである南海和歌山市駅周辺と比べても、紀南地方をはじめ県内全域への玄関口となっている和歌山駅の機能、周辺エリアの人口の多さなどで、より利点が大きいとし、将来にわたり持続可能なまちづくりは可能だと指摘した。
その上で、周辺エリアをどうしていくかのビジョンが乏しいことから、住民らが話し合い、地域の〝宝〟を探すことを通じて、エリアをマネジメントする方法を見いだしていくことが重要と話した。
さらに、コロナ禍に伴うテレワークやオンライン学習の普及を踏まえ、優れた立地を生かした取り組みについても提案し、「多様な世代が遊び、学べるまち、職と住が混合する地域にゆっくりと変化していくことができる」と述べた。
講演会には、市外からまちづくりに関心を持って参加した人もおり、学生らを含め活発な質疑も行われた。
石垣理事長は、今後も講演会や勉強会などを開いていくとし、「学生さんや、まちづくりに協力したいという若者も現れ、これからの展開が楽しみです」と話していた。