人気の釣り場「紀の川河口」
前号では、健康増進・学びの場として五つの公園で構成される河西緩衝緑地を取り上げた。この地域を広域で眺めると紀の川の河口付近にある長い防波堤が目につく。空からは分からないがこの防波堤で海釣りを楽しむ人も多い。
このエリアで人気の海釣りのスポットは2カ所。一つは、青岸エネルギーセンターから西へ進んだ防波堤。もう一つは、紀の川河口大橋の北詰から西へ進んだ先にある「海つり公園」。この公園は台風被害により長期休園となっているが、全長1㌔に及ぶ防波堤が活用されている。
紀伊水道から流れ込む暖かい海水により、年間を通じてマダイやイシダイ、チヌ、グレ、ハマチなどの大物が狙える。また、初心者でも気軽に釣ることができるアジ、サバ、イワシなど豊富な種類の魚が回遊し、幅広い層に親しまれる釣り場となっている。
この地域ならではの特徴としては、紀の川から流れてくる砂が堆積した砂地の地形であることから、ヒラメなどの魚が釣れるということ。また、タチウオが釣れることでも知られ、夏の終わりから2月ごろまで釣れるという。
筆者の知人から、仕事終わりや休日に気軽に釣りに出掛けるという話をよく耳にする。市街地から近くして大物から大衆魚まで幅広い釣りができるのは、この地域の地形が織りなす恵みといえよう。
気軽さが魅力であるが海釣りは危険を伴うもの。ライフジャケットの着用やマナーを守り、楽しく安全な釣り場であり続けることが、この地域に住む私たちの務め。紀の川と海の恵みを感じながら、釣りを楽しんでみては。
(次田尚弘/和歌山市上空)