加茂川で輝く野鳥たち 谷所さん初写真展
和歌山県海南市のアマチュアフォトグラファー、谷所清成(きよしげ)さん(62)の写真展「加茂川に集う野鳥たち」が23日まで、同市下津の市民交流センター1階展示室で開かれている。初の個展で、野鳥を中心に34点が展示されている。
谷所さんは同市に生まれ、県立海南高校を卒業後、九州産業大学と同大学院で写真を学んだ。びわ湖放送でカメラマンとして勤務した後、35歳でふるさとに戻った。2009年に日本写真家協会の第34回JPS展で優秀賞を受けている。
野鳥を撮影するようになったきっかけは、体調管理の目的で早朝に加茂川沿いを散歩している際、「日本野鳥の会」のメンバーが加茂川に飛来する野鳥を撮影している場面に遭遇したこと。以来、2017年5月から野鳥を撮影するようになり、今展では加茂川の河口から阪和自動車道下津インターチェンジ間の流域を撮影した約25万枚から選び出したという。
加茂川には約80種類の野鳥が生息するといわれるが、谷所さんは毎日約400~500回シャッターを切り、この4年間でオオバン、オシドリ、タイサギなど35種類の野鳥を撮影してきた。
会場には、羽ばたく野鳥の姿や一瞬の輝きを捉えた作品が並び、親子のカワセミ6羽が一枚のフレームに納まっている珍しいものや、近寄っても動じず撮影に協力してくれるアオサギに感謝と愛着を込めて「アオサギ君」と名付けられた一枚など、谷所さんの人柄がうかがえる。
谷所さんはこれまでに幾度か気持ちが挫折したものの、テレビ局時代から交流のある映像部長からのアドバイス、大学の講義での写真家の三木淳さんや奈良原一高さん(共に故人)との出会い、フェイスブックで知り合いになったカメラ友達らの仲間に支えられ、少しでもうまく撮りたいと思いながら活動を続けてきた。会期中も、谷所さんがフェイスブックで投稿した加茂川と野鳥の素晴らしさを知った人たちが、橋本市や奈良県五條市などから鑑賞に訪れている。
谷所さんは「今まで撮りためた画像は私の財産。改めて加茂川の魅力を再認識し、加茂川も捨てたものでもないと感じてもらえればうれしい」と話している。
午前9時から午後10時まで。月曜休館。問い合わせは同センター(℡073・492・4490)。