和歌山市の高校生指切断 台風4号各地で被害

 台風4号は19日午後5時過ぎに県南部に上陸し、 近畿地方の広範囲が暴風域に巻き込まれた。 県内では交通機関の乱れや道路の通行止めなどが相次ぎ、 和歌山市の男子高校生が風にあおられた鉄扉に指を挟まれて負傷するなどした。 大規模な土砂災害は発生していない。

 和歌山市がまとめた市内の被害状況によると、 同市延時で19日午後5時ごろ、 市内在住の男子高校生(15)が、 強風で閉まってきたビルの鉄扉に左人差し指を挟まれ、 ほぼ切断するけがを負った。

 台風との因果関係は不明だが、 同3時半ごろには、 同市本町の紀の国大橋の工事現場で、 男性作業員(26)がコンクリートを割る作業中に工具で左太ももを誤って切り、 死亡する事故があった。

 市内の道路は、 紀の川に架かる河西橋と、 加太の淡嶋神社前の市道が一時通行止めとなった。

 市内で自主避難した人は、 今福、 砂山の各連絡所、 和歌浦支所、 河南総合体育館の4カ所で計6世帯7人あったが、 気象警報解除後の19日午後7時35分には全員が帰宅した。

 県によると、 昨年9月の紀伊半島大水害の被害が大きかった那智勝浦町の那智川沿いで751世帯1576人に避難指示が出されるなど、 県南部を中心に避難勧告や自主避難が相次いだ。

 物的被害では、 印南町西ノ地で、 ブロック塀の石積みが落下し、 周辺道路が通行止めとなった。

 県内の交通機関には乱れが出た。 JR紀勢本線は19日、 上下線の列車28本 (うち特急22本) を運休し、 6本に最大3時間28分の遅れが発生。 約5300人の足に影響した。 和歌山―徳島間の南海フェリーは、 19日午前8時台から20日午前中までの上下20便を欠航した。

 県内の学校は、 気象警報発令により臨時休校となった。 県教委のまとめによると、 公立学校は幼稚園61、 小学校259、 中学校123、 市立高校3、 県立学校71が休校した。