紀美野で不適正な太陽光工事 県が3度勧告
紀美野町柴目の山林で申請内容とは異なる工事を行い、太陽光パネルを設置したなどとして、県は今月上旬、大阪市の太陽光発電事業者に是正勧告を行い、改善策を示す計画書の提出を求めている。勧告は3度目で、今後も改善が見られない場合は、設置資材の撤去や原状回復を求める命令などの措置を行うことを検討している。
県砂防課によると、業者はことしに入ってから県に設置工事の申請を行い、3月に許可を取得。3月中旬から4月末日の工期を予定していたが、工期を過ぎても工事完了の報告がなかったため、5月に県の職員が確認のため現地を視察。申請にない斜面の掘削が行われているなどの不適正な内容が分かった。
申請されていた工事面積は約6900平方㍍だが、より広い範囲で工事が行われており、その一部は、開発に知事の許可が必要になる、地すべり等防止法による「地すべり防止区域」、砂防法による「砂防指定地」の指定区域に及んでいた。申請内容になかった山の斜面も掘削されていた他、雨水を流す排水溝の整備もなく、安全性に欠けているという。
工事の現状を確認し、県は口頭などで工事を見直すよう指導してきたが、改善が見られないため7月に文書で指導。8月に2度の是正勧告を行っていた。今月10日時点で業者から新たな計画書は提出されていない。
同課は「(業者は)口頭や文書で指導をするたびに善処するとは言っていた。計画書が提出されない以上、許可を無効として、撤去などの命令を行うことになるだろう」と話している。