空き家問題に一石 維持管理サービスが好評
人口減少が進むことにより、各地方で今後さらに大きな課題となることが見込まれる空き家の維持管理に、和歌山市美園町の友希まごころサービスが取り組んでいる。母体となる不動産会社の運営で培った経験などを生かしたサービスが好評を博している。
総務省統計局の住宅・土地統計調査によると、平成25年の県の空き家率は16・5%で全国ワースト6位。倒壊や放火など防災・防犯の観点や、ごみの不法投棄や景観上の観点からも各自治体で対応が急がれている。
全国の空き家を建て方別に見ると、一戸建てが79・0%と大半を占め、共同住宅14・2%、長屋建が6・2%と続く。
同事業所には「何十年と住んでいた地域で、わが家が空き家になったことで周辺の住民に迷惑を掛けたくない」との思いから、管理を依頼する利用者が多いという。放置された家屋は、動物の繁殖場所になるなど、さまざまな近隣とのトラブルに発展することがあるという。
同事業所に管理を依頼すれば、ポストの確認や通水、換気、清掃などを毎月行う。価格は、一戸建ての場合が5000円(月1回)、1万1000円(月2回)に設定されている。現在の対応エリアは、県内全域の他、大阪府、奈良県全域もカバーしている。
スタッフの田村大輔さん(34)は「空き家の管理で建物の傷みを抑え、将来的には、貸し出しまで展開できれば」と話している。
同事業所はこの他、遺品整理や墓の清掃、買い物などの各種代行サービス、農家の手伝い、ごみ出しなども受け付けている。いずれも人口減少が進む地方で課題が深刻になると見られる分野で、こうしたサービス業の今後が注目される。
問い合わせは同事業所(フリーダイヤル0120・556・805)。