女子サッカー盛り上げ 和歌山なでしこC

 女子サッカーを盛り上げようと2年前から始まった吉田染工杯・和歌山なでしこCUP(吉田篤生大会会長、新島雄実行委員長)がことしも8、9の両日、紀三井寺公園陸上競技場で開かれ、県内外から参加の5チームが熱戦を繰り広げた。地元からは海南FCシャウトや初めて和歌山大アンジェラスと和歌山北高の合同チームが出場。ともにベストメンバーで臨めず、上位入賞はならなかったが、2017年の活躍を予感させる確かな戦いを展開した。優勝は2年ぶり2回目の大阪レディースで、アルベロ神戸が準優勝だった。

 県外からは、京都紫光クラブ、大阪市レディース、アルベロ神戸の3チームが訪れた。いずれも関西女子リーグに参戦する注目のチームで、海南FCシャウトを加えた3チームが、同じ2部で激突するだけに、春からのシーズン開幕を控えた前哨戦となった。

 初日はあいにくの雨となり、開会式は屋内で行われたが、吉田大会会長は「女子サッカーを応援しようと始まった大会です。皆さんの頑張りが、きっと盛り上がりにつながる。悪天候だがケガをせず、ベストプレーに期待します」とあいさつ。新島実行委員長も「君たちの押し上げがあってこその女子サッカーだ。この中から日本代表を狙う選手が1人でも2人でも出てくることを、心から願っています」と激励した。

 初日の5試合は、終始雨の中でのプレーとなり、滑るボール、滑る芝生に選手たちは苦戦しながらも、自分たちの持ち味を生かしたパフォーマンスを披露。関西女子リーグ3部のアルベロ神戸が、1部の常連であり今季から2部に参入する京都紫光クラブに5―2と快勝するガッツを見せた。雨が上がった2日目は、大阪市レディースがスピードを生かした攻撃でパワー全開。京都紫光クラブを9―0と圧倒。2年ぶりの優勝を引き寄せる大きな1勝となった。

 昨年は、関西女子リーグ1部に挑んだ海南FCシャウトだが、トップ10の壁は厚く、今季は2部での戦いとなる。小中学生から社会人まで、幅広い世代で構成するチームだけに、今回は主力がそろわない厳しい状況での試合が続き1勝にとどまった。和大と和北高の合同は、それぞれの特色を大事にしながら前後半を有意義に使っての試合となったが、強豪相手に勝利には届かなかった。両チームとも不完全燃焼の新年スタートとなったが、最後までゴールを狙う諦めないプレースタイルに、スタンドからの声援も大きかった。

 今シーズンの目標 ◇海南FCシャウト・松野みゆき選手=1部のレベルの高さを痛感した昨シーズンでしたが、手応えを感じた部分も多く、2部で優勝して来シーズンの1部復帰を目指します。

 ◇和歌山大学アンジェラス・岡崎朱花副主将=みんなで力を合わせて、近畿国立大大会での優勝が目標です。

 ◇和歌山北高・野際凜選手=目標は全国大会出場です。みんなで頑張ります。

ゴール目指し果敢に攻める海南FCシャウト(黄色)

ゴール目指し果敢に攻める海南FCシャウト(黄色)