外務省訪問2年目 加太中の他3校に広がる

和歌山市立加太中学校(神﨑信彦校長)の3年生17人は5月30日から修学旅行で東京へ行き、昨年に引き続き外務省を訪問。省内に建つ同市出身の元外務大臣・陸奥宗光の銅像などを見学し、郷土の偉人について理解を深めた。

同校は昨年、市教育委員会の勧めを受け、県内の学校で初めて外務省を訪れた。当初はスケジュールの都合で断念したが、同校が修学旅行で外国人観光客に加太のパンフレットを手渡すなどの活動をしていることが伝わり、時間外での見学が許可された。記者会見室の見学や陸奥宗光像の前で記念撮影をし、日本の外交史と、そこに大きな足跡を残した郷土の偉人にふれた。

ことしは事前学習として、市民団体「『陸奥宗光外務大臣』」の功績を教育に活かす実行委員会」による授業を受けた。関税自主権の回復と治外法権の撤廃に務めた外務大臣としての半生や、和歌山に徴兵制度などを取り入れ藩政改革を進めたこと、海援隊で坂本龍馬に才能を見いだされたことなど、陸奥の生涯について学習した。

修学旅行では最終日に外務省を訪問。記者会見室に加え、ことしは同時通訳で国際会議を開く会議室を見学。実際に会議で使うマイクを操作して広報官へ質問も行い、外務省の仕事の大変さや楽しさについても学んだ。

そして陸奥宗光像の前で記念撮影。日本の外交史を語る上で欠かせない重要な人物であることを再確認した。銅像は陸奥の功績をたたえて明治40年に建てられたもので、戦時中の金属回収により一度供出されたが、没後70年の昭和41年に再建されている。

生徒会長の小浦咲里さん(14)は「陸奥宗光は名前しか知らなかったが、すごい存在であったことを知った。歴史上の偉人が和歌山にもいたと勉強になった」、副会長の湯川嶺さん(14)は「外務大臣としての陸奥宗光は自分の知っている人物とは違ったので、深く知ることができて良かった」と話していた。

本年度は同校の他、県立桐蔭中、向陽中、美浜町立松洋中も外務省を訪問している。

陸奥宗光像の前で記念撮影した生徒ら(加太中学校提供)

陸奥宗光像の前で記念撮影した生徒ら(加太中学校提供)