フランス選手団、友情深める 世界陸上の事前合宿

フランス代表チーム、県の関係者、協賛企業らで記念撮影(9日の激励会で)
フランス代表チーム、県の関係者、協賛企業らで記念撮影(9日の激励会で)

大きな感動とともに21日に閉幕した世界陸上。開幕前にはフランスの代表選手ら約90人が和歌山市で事前合宿を行った。約1週間の滞在中には、県の関係者や協賛企業、県民らが歓迎。選手たちは紀三井寺陸上競技場で子どもたちを対象に陸上教室を開いて指導し、交流を深めた。フランス陸上競技連盟パフォーマンスディレクターのロマン・バラスさんは「単なるスポーツのトレーニングを超え、人間の出会いであり、交流であり、また、友情を深める貴重な機会となった」と振り返った。

サポートを受けながら棒高跳びに挑戦する小学生
サポートを受けながら棒高跳びに挑戦する小学生

県内の小学5、6年生を対象にした陸上教室で、子どもたちは世界トップレベルの選手の指導を受け、宮﨑泉知事は「子どもたちにとって忘れられない思い出になったと思う」と話した。

「陸上競技への関心、意欲を高めるとともに、和歌山県の競技力向上に大きく寄与する」と木村恵・県スポーツキャンプ実行委員長もコメント。仏選手たちは走り幅跳び、ハードル、棒高跳びを指導し、子どもたちは笑顔を見せながら熱心に学んだ。和歌山陸上クラブの小河晴輝さん(12)は「すごくいい機会になった」と振り返った。

女子100㍍ハードルのサシャ・アレッサンドリーニ選手は「子どもたちが新しい発見をしてくれてうれしかった」と笑顔。教室後にはハイタッチや仏選手のスマートフォンで記念撮影もするなど、技術向上に加えて交流も楽しむ場となり、海南アスリートクラブの藤井実歩さん(11)は「すごくフレンドリーでハイタッチしてもらえてうれしかった」と話していた。

歓迎ぶり「うれしい」 サインや記念撮影も
フランス選手(中央)と記念撮影する衣谷さん㊧と川島さん
フランス選手(中央)と記念撮影する衣谷さん㊧と川島さん

事前キャンプ期間中には公開練習も行われ、スタンドには連日観客が集まった。練習後には競技場の出入り口前にも、仏選手との記念撮影やサインを求める県民らの姿があった。

フランス陸上競技連盟のジャン・セバスチャン・メニゴス副ディレクターは「県民の心からのおもてなし、歓迎ぶりをうれしく思っている。皆さんが競技場に来て、サインや写真撮影を求めてくれ、とてもうれしかった」と振り返る。

選手の滞在期間中、何度も競技場を訪れる人もいた。県内に住む衣谷裕子さん(52)と川島詩珠花さん(23)は4日間にわたって足を運んだ。川島さんは書道師範で、応援の気持ちとともに「日本文化の書道の良さを届けたい」と考え、毛筆で「仏蘭西陸上頑張れ」と日本語と仏語で書いたスケッチブックを手に、選手たちと記念撮影。衣谷さんも「また和歌山に来てほしい」と笑顔で話していた。

仏代表チームの和歌山での事前キャンプは3回目で、2007年の大阪世界陸上、08年の北京五輪以来。セバスチャン副ディレクターは、大阪世界陸上からの良好な関係などが和歌山を選んだ理由と話し、「充実した練習環境はもちろん、ホテル(和歌山マリーナシティホテル)も素晴らしく、選手にとって一番良かったと思えた」と振り返り、感謝していた。

快適な練習サポート タカショーのエアマットレス
休憩中にエアマットレスを使ってリラックスするフランスの選手ら
休憩中にエアマットレスを使ってリラックスするフランスの選手ら

地元企業も選手たちをサポートした。ガーデンライフスタイルメーカーの㈱タカショー(本社=海南市)は、仏代表チームに電動エアマットレスを提供。競技場に並べられたエアマットレスには、多くの仏選手やコーチが練習の合間や練習後に寝転がり、リラックスしていた。

同社は当初パラソルやシェードの提供を想定していたが、用意がすでにあったため、選手団の要望でエアマットレスの提供に決まった。同社経営管理本部広報IR室の粂菜摘さんによると、このエアマットレスはアウトドア用に販売されており、スポーツ現場での使用について「その発想はなく、想定外だった」と話す。

屋外スポーツでは、炎天下や冷えた地面、砂や芝生に直接寝転がることは、快適性や衛生面で課題がある。同社のエアマットレスは厚さ36㌢のボリュームがあり、表面は柔らかく滑らかな生地で快適に休める。抗菌仕様で衛生面も安心。さらに空気圧を維持する自動膨張機能により、心地よい寝心地も提供。縦203㌢、横152㌢で耐荷重350㌔、大人2人が横になれるダブルベッド仕様となっている。

移動の多いスポーツ現場では、「膨らませるのが面倒」「準備に時間がかかる」といった課題もあるが、このエアマットレスは電動式ポンプ内蔵でスイッチひとつで自動膨張し、県職員が設置した際も「すぐに膨らんですごく驚いていた」という。付属のUSBケーブルで充電し、コンセント不要。手軽に設営できる利便性も兼ね備えている。

事前キャンプでのエアマットレスは仏代表チームの快適な練習環境を支えた。

読者1人にプレゼント

仏代表チームを支えたエアマットレス(選手のサイン入り)を読者1人にプレゼント。商品の詳細はこちら。粂さんは「アウトドアに加え、スポーツの場面という新しい使い方をしていただいて、和歌山の企業として地元のスポーツの発展になればうれしい。このエアマットレスで、いろいろなことを楽しんでいただきたい」と応募を呼びかけている。

締め切りは10月3日。応募フォームはこちら