IR推進協議会が設立 誘致へ産官学が連携

 和歌山県内の自治体と企業、研究者が連携して統合型リゾート(IR)の県内誘致を進める組織「和歌山IR推進協議会」の設立総会が9月29日、和歌山市西汀丁の和歌山商工会議所で開かれ、県や同市の幹部、県内企業の経営者ら12人が出席し、誘致の進め方や協議会の活動内容などを議論した。

 全国各地の自治体がIRの誘致に名乗りを上げる状況を前に、県内が一丸となって誘致を進めようと、県や同市、同商議所IR誘致推進委員会に参加している県内企業や団体9社が参加。県内の大学教員も参加している。

 協議会は冒頭を除き、非公開で開催。
冒頭のあいさつで県企画部の髙瀨一郎部長は、政府の有識者会議がカジノ施設の他に大規模な国際会議場や展示場などを併設し、当初の認定区域数を全国で2~3カ所とすることが望ましいとしている点にふれ「大都市偏重だ。規模より質を重視し、当初の認定区域数を制限しないよう求めていく」と強調。「産官学が一体となって誘致活動を展開すれば、必ず誘致レースを勝ち抜くことができる」と話し、誘致成功に自信を示した。

 県企画総務課によると、設立総会では協議会の規約を承認。IR誘致を実現させるために助言と提案を行う他、ギャンブル依存症など立地に伴う社会的懸念に対する方策の提案、県民への正確な情報の提供などを進めることが確認された。

 県内誘致の進め方をめぐる意見交換では、出席者から「大規模施設を県内に造るのは難しい。中規模で質の高いアリーナを造るべきでは」という意見や、県と市がIRのカジノ区域への入場を外国人に限る方針を示していることに対して「過剰な規制を敷くよりも、適切な手だてをして日本人の入場を認めるべきではないか」といった意見も出されたという。

髙瀨県企画部長(右奥)のあいさつに耳を傾ける出席者たち

髙瀨県企画部長(右奥)のあいさつに耳を傾ける出席者たち