フルーツ王国PR 地域おこし隊の新美さん
和歌山県紀の川市の地域おこし協力隊員として2016年4月から活動している新美真穂さん(27)が、3月末で3年間の任期満了を迎える。特産のフルーツを活用したまちづくりを推進するため、観光マップやカレンダー作り、イベント企画などに取り組んできた新美さんに、これまでの活動、やりがいなどを聞いた。
新美さんは愛知県出身。奈良県の大学院に在学中、同県十津川村のまちおこし活動に参加し、「季節の移り変わりを感じられる自然豊かな地域に移住し、住んでいる人の近くでまちおこしに取り組みたい」と考えるようになった。知人から、紀の川市がフルーツを活用したまちづくりを進めていることを聞き、協力隊に応募した。
着任後は、フルーツの絵が満載の「紀の川ぷるぷるフルーツカレンダー」や、訪日外国人観光客向けに和歌山電鐡貴志駅周辺の観光名所を英語で説明した手書きの地図「へたうまっぷ」の作製などに取り組んできた。
フルーツカレンダーは、市内の小学生からフルーツの絵を募集し、カレンダーの日付欄に掲載。見るたびにフルーツの魅力が印象づけられるよう工夫した。
昨年秋に貴志駅前にオープンした観光交流拠点では、観光客らを対象に紙芝居の読み聞かせにも取り組んでいる。
多くの市民と接し、協力を受け、地域の魅力を日々感じながら活動する一方、「自分たちが住む地域に自信がないのか、『田舎で何もない』と話す人がいます」と残念に感じることもある。
新美さん自身は紀の川市に移住するまで、「和歌山はミカンと梅のイメージが強く、他のフルーツについてはあまり知りませんでした」とのこと。“フルーツ王国”のPRに取り組むようになり、「フルーツの木がいろんな場所にあり、こんなにフルーツを身近に感じられる地域はなかなかないのでは。収穫の時期もそれぞれ違うので、フルーツを通して四季の移り変わりも感じることができます」と魅力を実感している。
協力隊の任期満了を目前に控え、「まちづくり活動では、一人ひとり考えが違い、ぶつかるときもありますが、いろんな方が力になってくれます」と振り返り、協力隊への応募を考えている人には、地域で人とふれあい、力を集めて活動する醍醐味(だいごみ)を体験してほしいと願っている。
紀の川市は28日まで、新たな協力隊2人を募集している。都市地域に住む20歳以上おおむね49歳以下の人が対象。募集要項や応募用紙は観光振興課ホームページ(http://www.city.kinokawa.lg.jp/kankoshinko/)に掲載。詳しくは同課(℡0736・77・0843)。