「富田坂」の道が国史跡追加指定

 白浜町の 「富田坂」 の道が、 国史跡 「熊野参詣道中辺路 大辺路 小辺路 伊勢路 熊野川 七里御浜 花の窟」 に追加指定されることが、 文化庁文化審議会文化財分科会で決まった。 同史跡は平成16年7月に世界遺産登録された 「紀伊山地の霊場と参詣道」 の構成資産の一部で、 県文化遺産課は今回の追加指定を、 「世界遺産の範囲拡大につなげる文化財指定の最初」 と話している。

 「富田坂」 がある 「大辺路」 は、 海と山が織りなす美しい景観のコントラストに恵まれ、 後に文人墨客の道と称された文化的景観に恵まれた道。

 富田坂のうち、 長沢芦雪が描いた70点以上の障壁画、 円山応挙、 伊藤若冲らの作品が残る 「草堂寺」、 「草堂寺横富田坂入口100㍍」 「七曲りから安居辻松峠」 の3カ所は、 以前から史跡指定されていた。

 今回の追加指定箇所は、 その 「草堂寺横富田坂入口100㍍」 に連続する古道で、 延長約165㍍。

 ここには、 和歌山から22里と伝えられる 「一里松跡」 や石碑4基

 世界遺産拡大登録を目指して県教育委員会が進めている調査の成果が次々に挙がっている。 本年度、 木下浩良・高野山大学図書館課長心得と行った高野地域石造物調査では、 次の発見があった。
基、 六十六部廻国巡礼の供養塔が遺されている。

 この答申に基づき、 来年2月ごろに追加指定の官報告示が予定されている。