津波警報で避難した和歌山県民16.8%

 県が県民4000人を対象に実施した「地震・津波に関する意識調査」結果によると、昨年3月11日の東日本大震災発生時に約8割の人が津波・大津波警報を聞いたが、そのうち避難したのは16.8%だった。調査期間は昨年8月22日から9月28日で、回収率は47.7%。

 各市町村の選挙人名簿から抽出した、津波危険地区の2000人、同地区を除く2000人を対象に調査した。
 避難しなかった人のうち、その理由について約6割が「その時いた場所が危険とは思わなかった」とし、25.3%が「防波堤を越えるような津波はこないと思った」、23・7%が「予想される津波が2~3㍍と放送していたので」と答えた。

 東南海・南海地震への関心についての質問では、「非常に関心がある」と答えたのが44.6%(前回比14.3増)、「明日起きても不思議ではない」と答えたのが46.1%(同9.4増)とおおむね高かった。

 家庭での防災対策についての質問では、「避難する場所を決めている」「非常持ち出し品を用意している」といった項目は上昇したが、「家具を固定している」と答えた人は39.8%(同1.6減)と微減した。

 同震災でも多数の死者が出た津波についての質問では、「防波堤で津波をあまり防ぐことができない」と答えたのが56.4%(同18.5増)、「津波によって居住地域が全滅する」と答えたのが27.6%(同15.5%増)と、警戒意識が高まっていることが分かった。

 市町村から避難の呼び掛けがありながら、避難した人が2割に満たなかったことについて、仁坂吉伸知事は7日、定例会見で、「それが実態だった。定期的な調査だが、100点はまだまだ。市町村長と力を合わせ意識を高め、『とりあえず逃げる』ということを徹底していきたい」とした。