加太に消防学校移転 28年度開校目指す
東海・東南海・南海地震などの大規模災害に備え、 全国的に複雑化・高度化する消防業務に対応するため、 県は新年度予算案に、 県消防学校(和歌山市冬野)をコスモパーク加太(同市加太)に移転整備するための事業費を計上している。 現在の校舎は老朽化し、 最新の業務に対応する訓練ができていないのが現状という。 平成24、 25年度に設計、 26年度に着工し、 28年度中の開校を目指す。
県消防保安課によると、 同校は昭和52年に開校。 県内17消防本部で採用した初任科生など、 本年度末までに2万人を超える消防職員、 団員を育成してきた。 業務の複雑化などに設備投資のみでは追い付かず、 研修で設備を借りるために他府県の消防学校へ行くこともしばしばあったという。
新校舎は加太コスモパーク防災ヘリポートの付近に計画している。 現在、 同校で研修や訓練に使える敷地は1万5000平方㍍ほどといい、 県は新校舎の敷地を現行の3倍以上で検討している。 また、 女性職員専用の部屋やトイレを作るなど、 施設の充実化も図る。
同課は 「東海・東南海・南海地震などの災害が発生した時、 現場に行くのは消防職員や消防団員。 高度化する消防業務に対応できるような知識や技術を付けられる施設を目指したい」 と話している。