江戸後期の趣残す 旧中筋家住宅で見学会

 和歌山市祢宜の旧中筋家住宅見学会(市教委主催) が17日に開かれ、約70人が訪れた。
 参加者は同市梅原の建築家、 中西重裕さん (53) の案内で住宅内を見て回った。 中西さんは、 東西が約30㍍ある表門の屋敷3室について、 「地区の役所的な役割も持っていた」 と説明し、 同じ場所で事務なども行っていたと紹介した。
 参加者は廊下に座ってゆったりと庭を眺めたり、 壁際にじっと近寄ってみたりと、 建築当時の様子がそのまま残された建物から歴史を感じていた。
 旧中筋家は江戸時代後期に建築された大庄屋の屋敷で、 昭和49年に国の重要文化財に指定された古い民家。 紀の川流域随一の大規模住宅で、 主屋は大広間や接客空間が広いのが特徴という。
 この日は分家の中筋正保さんの協力で、 普段見学することができない中筋家住宅も見学した。
 同市直川の安田佳充さん (66) は 「木で組み合わせる技術など創意工夫がされている。 昔の人は賢かったんやなあ」 と話していた。