官製談合の和解成立 木村前知事ら和歌山県に6億円
県発注のトンネル工事などをめぐり、 木村良樹前知事=平成19年9月に収賄・談合罪で有罪確定=らが逮捕・起訴され、 県の一大不祥事となった官製談合事件は25日、 県が起こしていた損害賠償請求訴訟の和解が大阪高裁で成立し、 ついに決着の日を迎えた。
県は6件の工事で官製談合があったとし、 刑事事件として立件されなかった3件について20年4月、 木村前知事ら4人と入札に参加したゼネコン13社を相手に、 総額約6億1252万円の損害賠償を求めて和歌山地裁に提訴していた。
県側の訴えを認めた一審判決を受け、 1人を除く木村前知事ら3人と13社が控訴。 大阪高裁で昨年9月から4回の口頭弁論と和解協議が行われた結果、 木村前知事が60万円など、 被告側が総額6億円を県に支払うことで和解が成立した。
県によると、 木村前知事ら4人は和解日当日、 本人や代理人が負担分の全額計220万円を支払った。 13社は8月20日までに支払うことになっている。
過去に立件された3工事については、 木村前知事やゼネコンが賠償金計約3億5797万円の支払いを終えている。
和解を受けて仁坂吉伸知事はコメントを発表。 「県の主張がほぼ全面的に認容された」 とし、 「平成20年から継続していた訴訟事件を早期に終結できることから、 和解案を受諾することとした」 と述べている。
県関係者からは 「事件が解決しほっとしている」 「20年6月から電子入札による条件付き一般入札制度を導入しているので、 もう談合は起きない」 などの声が聞かれた。