大迫力の双龍が降臨 圓蔵院

 阪南市の建築デザイナー、 田村茂さん(65)が、 圓蔵院(和歌山市南相生丁)本堂に奉納しようと、 昨年から制作してきた天井画 「現身双龍」 が完成。 轟音の中、 うねり昇るような大迫力の双龍が天井に掲げられた。

 天井画の大きさは縦4・8㍍、 横13・3㍍。 昨年6月に下絵を描き始め、 炎天下での夏場の作業は一時中断。 11月頃から本格的に制作してきたもの。

 水をつかさどる神である龍を描くにあたり、 東日本大震災の被災地を訪れるなど、 龍に魂を込めるかのように描き上げた。 鋭い眼力の龍に、 うねりや奥行きを表現しようとデフォルメが加えられ、 田村さんいわく 「新しい時代を意識した21世紀の龍」。

 天井への取り付け後、 最終の仕上げには約1週間を要し、 首を傷めるほどの大変な作業を重ねて完成の日を迎えた。

 田村さんは 「恥をさらすようなものですが、 このような場を与えてくれた和尚に心から感謝です」 と話し 「見る角度や場所によって龍の表情が変わる。 歩きながら、 いろんな方向から絵を眺めてもらえれば」、 後藤信英住職(69)は 「これだけのものを描き上げる精力はすごい。 ぜひ皆さんに見ていただきたい」 と話している。

 自由に見学可能。 問い合わせは圓蔵院 (℡073・422・6710)。