一般会計1470億円 和歌山市25年度当初案

 和歌山市は20日、平成25年度当初予算案を発表した。一般会計は過去最大の1470億3277万円で3年ぶりの積極型となり、前年度比11・6%増の伸び率は平成以降で2番目に大きい。特別会計と公営企業会計を含めた総額は6・8%増の2912億6837万円。市税収入の減少など財政状況は厳しい中、ごみ・し尿処理施設の更新工事や土地開発公社の解散などの経費が増加している。 27日開会の2月定例市議会に提案される。

 大橋建一市長が掲げた主要事業のキーワードは 「いのちを守る」「人と文化を育てる」「ふるさと力を高める」の3つ。 津波被害の新想定を踏まえた防災対策や国体の開催準備、 都市計画道路の整備など73事業(うち新規31)に約130億を計上している。

【一般会計歳入】
 市税収入は11億8003万円減の568億5477万円。 個人市民税は0・1%減の177億7028万円、 法人市民税は企業業績の先行き不透明などにより21・2%の大幅減で46億9451万円を見込んでいる。
 地方交付税と、 償還が同税で措置される臨時財政対策債の合計は0・8%増の196億4000万円となっている。
 借金に当たる市債発行額は69・3%増の262億720万円。 増加の要因は、 土地開発公社の解散経費とする第三セクター等改革推進債約54億円、 施設更新や道路整備などの建設事業に伴う発行増約38億円など。 臨財債を除く市債残高は25年度末見込みで約1127億円となる。
 収支不足の37億6000万円は貯金に当たる財政調整基金を取り崩して対応。 同基金の25年度末残高見込みは36億8000万円となる。

【一般会計歳出】
 義務的経費は2・9%増の845億4284万円。 うち人件費は、 職員3000人体制の達成から定数減はなく、 退職金の削減などで487万円の微減。 扶助費は生活保護費の約12億円増などで4・6%増の402億4036万円。 市債の返済などに充てる公債費は3・4%増の183億5702万円となっている。
 投資的経費は70億6977万円 (82・5%) 増の156億3765万円。 内容は青岸エネルギーセンターや汚泥再生処理センターの施設更新工事に47億7000万円、 スカイタウンつつじが丘テニスコート整備に10億5000万円などを計上している。

主な新年度事業
【いのちを守る】防災行政無線情報等のメール配信 (1419万円) ▽和田川流域の浸水対策=河川改修や雨水貯留管設置など4事業 (17億125万円) ▽ふれあい収集=ごみ出しが困難な高齢者世帯が対象の訪問収集など (129万円)
【人と文化を育てる】子どもの基礎学力向上=2中学校区をモデルに学力テストなどを実施 (412万円) ▽芸術・文化活動への公募型助成制度の新設 (155万円) ▽伏虎中学校区小中一貫校設置=校舎の設計など (2億5286万円)
【ふるさと力を高める】まちなか遊休不動産の再生利活用推進 (1577万円) ▽御庭焼き体験スペース整備=和歌山城内への整備に向けた設計 (529万円) ▽小型家電等の再資源化=分別回収の実施 (482万円)