首都圏と和歌山の交通結節が拡充 南紀白浜―埼玉大宮の夜行高速バス
夏休みの到来。1年で最も来県者が多くなるこの季節、関東方面と和歌山を結ぶ夜行高速バスの存在は、移動時間の短縮、利便性、旅費の節約などに重きを置く旅行者の獲得に頼もしい存在だ。
ことし3月からは埼玉大宮と池袋、新宿、横浜と南紀白浜を結ぶ新しい路線が開設。旅行者をはじめ地域住民の利用が進む「南紀白浜線ホワイトビーチシャトル」を紹介したい。
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午後9時過ぎ。海南駅前のバス停に、ひときわ明るいヘッドライトをつけた大型バスが滑り込んできた。「南紀白浜線ホワイトビーチシャトル」はことし3月29日から明光バス(白浜町)と西武観光バス(埼玉県所沢市)が共同で一日1往復を運行。白浜町の新湯崎を発着点とし、白浜、田辺、南部、印南、御坊、有田川、海南の各停留所を経由。和歌山を縦断し沿岸の観光地をもれなく通る魅力的な路線だ。新湯崎―大宮営業所の大人運賃は最安の日(オフ運賃)で9000円。同区間の所要時間は約12時間。
海南駅前でこのバスの到着を待っていた海南市在住の男性(25)は「今までは和歌山駅から夜行高速バスを利用していたが、近所の海南駅に停車してくれるのはありがたい。時間はかかりますが快適ですよ」と話し、地域住民にも好評。
この路線の開設により和歌山県内を発着する関東方面行きの夜行高速バス(高速ツアーバスを除く乗合バス)は、和歌山市内(2路線)と新宮・勝浦(1路線)の計4路線に。紀北、紀中、紀南、それぞれの地域と関東方面を交通で結節することで、首都圏在住者に、より和歌山を近く感じ、気軽に訪れてもらうきっかけになる。恵まれた環境を生かし和歌山の楽しみ方を広く発信していきたい。(次田尚弘/和歌山)